米国物価連動国債 TIPS(Treasury Inflation Protection Securities)をご存知でしょうか。いわゆるインフレ連動債と言われ、償還時にはインフレ上昇分を加味した元本を受け取れるアメリカの国債です。その性質から、期待インフレ率とイコールと考えられます。
あまり聞きなじみがないかもしれませんが、長期投資をするうえでは重要にしたい指標となりますので、今日はTIPSについて見ていきたいと思います。
一見小難しそうに見えますが、とても面白くシンプルな指標です。分かりやすくご説明しますので、ご一読いただけましたら幸いです。
米国物価連動国債(TIPS)って何?
米国物価連動国債(TIPS)は、インフレに歩調を合わせるように設計されたアメリカの財務省証券で、利率は固定されたままですが、消費者物価指数(CPI)に連動して元本部分(額面)が調整されるようになっているので、CPIが上がり、インフレになると元本が増えるという面白い商品です。
1997年に導入され、正式名称は「インフレ連動型財務省証券」といいます。期間は、5年、10年、30年の3種類があります。例えば、10年保有している期間の間に金利が上がりインフレが上昇していれば、満期になった10年後には10年前のスタート時点からのインフレ上昇分を加味して支払いを受け取れるというものです。つまり、インフレが上昇している場合は、元本が増えるという感じです。
購入したい場合は、iシェアーズ米国物価連動国債ETFというETFが便利です。
【重要指標】米国物価連動国債(TIPS)に注目
消費者物価指数(CPI)が上がり、インフレになると元本が増えるという面白い商品ですので、インフレ率の上昇が続くと見込まれる場合は、TIPSは買われ価格が上がるのですが、インフレ率の低下が見込まれる状況では、TIPSは売られ価格は下がるということになります。
iシェアーズ米国物価連動国債ETF(TIPS)のチャートを見てみると2021年11月以降下降トレンドになっていることが分かります。
さらに今は、2017年以降でTIPSからの資金流出が一番大きくなっています。
つまり、このインフレ連動債TIPSから資金が大きく流出しているということは、投資家は、将来のインフレ率上昇はあまり期待できない、インフレは低下しているだろうとみているということになります。5年後、10年後、30年後にはおそらく金利やインフレは低下していて、景気も減速しているだろうとみているということです。

実質金利=10年金利-TIPS(期待インフレ率)
また、実質金利=10年金利-期待インフレ率(予想物価上昇率)でしたね。
つまり、実質金利=10年金利-TIPSと置き換えられますので、TIPSが下がると実質金利は上昇します。
実質金利の上昇は、株価にはマイナスの影響があります。マルチプルコントラクションによってPERを押し下げるためです。金利の上昇とPERはシーソーのような逆相関にあります。
株価 = EPS(業績) × PER(期待)
株価 = EPS(業績) × PER(期待)ですので、
PERが下がると株価にはマイナスです。2022年初頭のナスダックの暴落は、PERの低下が原因でした。
まとめ

米国物価連動国債(TIPS)はインフレと連動する国債で償還時には保有期間のインフレ率を加味した支払いを受け取れるため、いわば、期待インフレ率そのものです。
巷ではインフレ懸念が叫ばれ、インフレ退治に躍起になっているニュースばかりが取り沙汰されていますが、長期目線でみると、このTIPSが直近大きく下げ始め、2017年以来で資金流出が大きくなっているという事実には注目です。長期ではインフレも景気も減速しているだろうということを表しているからです。
TIPSというのは、あまり聞きなじみがなく、ちょっと難しいお話だったかもしれませんが、長期目線での「米国物価連動国債(TIPS)=期待インフレ率」が減速傾向にあるということは、長期投資を考えるうえで重要な指標となると思っています。
インフレの強い局面では、原油やコモディティー価格、銀行株は上昇傾向となりますが、インフレが下げ止まるとなるとまた別のストーリーを想定しておく必要があります。
セクターローテンションを考えながら、その市況で強いセクターに移動しながら投資することが必要ですね。
短期投資と長期投資はしっかり分けて相場を見ていきたいと思います。
投資はいつでも自己責任でお願いします。
この記事が、少しでもお役に立てたなら幸いです。
これからも情報を発信してまいりますので、どうぞ、よろしくお願いします。
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