今年も年末調整の季節になりましたね。
この時期に目にするのが、年収、手取り、所得、控除といった用語です。収入と所得って何が違うのか、明確に説明できる人の方が少ないかもしれませんね。
何度聞いてもわかったようですぐにまた分からなくなってしまうこの収入と所得などに関して、今日は分かりやすく見ていきたいと思います。
【苦手克服!】年収と所得の違いって何?課税所得とは?
年収、手取り、所得の違いは?
まず、年収、手取り、所得の違いを見ていきましょう。
年収
年収は月々の給与の総支給と賞与の合計です。税金や社会保険料などが引かれる前の金額です。給与辞令に記載のある金額で、源泉徴収票でいうとの赤枠の「支払金額」部分です。

手取り
手取りは、一番分かりやすいですね。収入から 税金や社会保険料などが引かれた後の金額で、皆さんの銀行口座に入る金額のことです。読んで字のごとくですね。
所得
はい、来ました。所得が一番分かりにくいですね。自分の所得をパッと答えられる方はほとんどいないと思います。でも、税金を考える上では一番重要なのがこの所得です。所得は、経費やそのほかの控除を引いた後の残金で、国はここに対して課税をしてきます。「課税所得」と呼ばれるものです。
自営業の方がタクシー代や買い物のレシートを大事に保管して「経費にするから」と言っているのを耳にしたことがあると思いますが、サラリーマンも経費やその他の控除をされた後の金額が課税されます。でも、仕事に行くためのスーツや革靴代、鞄や勉強のための書籍代など個々人でレシートを保管して計上するのは大変です。そこで、サラリーマンなどの給与を貰っている方は、給与等の収入金額に応じて、次のように計算式が決められています。この経費のことを「給与所得控除」といいます
サラリーマンの経費「給与所得控除」
サラリーマンの経費ともいえる「給与所得控除」は年収に応じて下記の様に決められています。

例えば、年収400万円の人の場合、で計算すると
4,000,000 × 20% + 440,000 = 1,240,000円 になります。
124万円も経費として年収から引いてくれ、課税されない仕組みになっているんですね!結構、経費として多く見てくれていると思いませんか?124万円もスーツや靴、書籍に使っていないですよね。
「給与所得控除後の金額」は下図の青枠の欄に記載されます。

では、その隣の緑枠の「所得控除の額の合計額」金額は何でしょうか?
様々な控除「所得控除」

サラリーマンの経費と言える「給与所得控除」を見てきましたが、これ以外にも色々引かれた後の残りに課税される仕組みになっています。どういうことかと言うと、例えば、ハンディキャップを持たれている方とそうでない方、あるいは子供が5人いる方と夫婦だけのご家庭、シングルマザーやシングルファーザー、病院に通院されているなど、人それぞれの事情があり、全員同じように課税すると、中立・公平という税金の大原則から外れてしまいますので、「給与所得控除」以外にも様々な控除が用意されているのです。
皆さんに一番おなじみなものは、年末調整の時に出てくる「社会保険料控除」ですね。国民健康保険料、国民年金保険料、厚生年金保険料、介護保険料を支払っているときには、この控除が適用されます。
生命保険料や介護医療保険料、個人年金保険料を支払っているときには「生命保険料控除」が適用されます。
シングルマザーやシングルファーザーには、ベビーシッターや保育園など他の方より経費がかかるとして、「ひとり親控除」があります。以前は「寡婦・寡夫控除」と呼ばれていましたが、令和2年から「ひとり親控除」と「寡婦控除」に分けられました。
配偶者が扶養内であるときには「配偶者控除」が適用されます。配偶者の収入103万円以上で配偶者控除の控除対象外になっている場合でも、配偶者の収入が201万円までの場合、 夫の年収が1,120万円以下であれば税金が優遇される「配偶者特別控除」が適用されます。
配偶者のほかにも養うべき家族や親戚がいる場合には、「扶養控除」という控除が適用されます。
また、サラリーマンにも、自営業者にも、パートにもアルバイトにも分け隔てなく全員一律に「基礎控除」の金額を引くことになっています。金額は48万円と定められています。
結構色々考えてくれていますよね。
基礎控除の48万円と給与所得控除55万円を足すと、あのおなじみの金額になります。
103万円ですね。「103万円の壁」と呼ばれている所得税がかかり始める金額ですね。
下記が 「給与所得控除」以外の様々な控除「所得控除」 15種類のリストです。
所得控除 15種類
- 基礎控除:48万円(サラリーマン文字営業もパートもアルバイトも全員)
- 社会保険料控除:国民健康保険料、国民年金保険料、厚生年金保険料などを負担しているときその金額
- 生命保険控除:生命保険、個人年金、介護医療保険料。最大12万円
- 小規模企業共済掛金控除:iDecoなど小規模企業共済や個人型確定拠出年金に加入していときの掛金の全額
- ひとり親控除:男女問わず、所得48万円以下の子と生計を一にする所得500万円以下の者に35万円
- 寡婦控除:女性限定。先述のひとり親に該当せず、申告者本人が配偶者と離婚(死別除く)し、扶養親族がいる所得500万円以下の者に27万円
- 配偶者控除:申告者本人に配偶者がいるとき原則38万円
- 配偶者特別控除:申告者本人の所得金額1000万円以下、かつ配偶者の合計所得金額が38万円以上76万円未満の場合に原則として38万円
- 扶養控除:16歳以上の扶養親族がいる場合に、その人数分だけ原則として38万円(16歳未満の子は2012年に児童手当制度ができたため廃止)
- 特定扶養控除:大学生の子を持つ親の学費負担を軽減する目的で創設された制度。年末時点で19歳以上22歳以下かつ年収103万円以下の扶養親族がいる場合、63万円。
- 医療費控除:1年間で10万円以上の医療費がかかった場合の10万円を超える部分
- 寄附金控除:ふるさと納税など、国や地方公共団体、認定NPO法人に寄付した金額
- 雑損控除:震災や風水害などにあった場合に受けられるもの
- 地震保険料控除:地震保険などの損害保険料
- 障害者控除:申告者本人やその家族が障害者の認定を受けているときに、1人につき27万円などが控除される
- 勤労学生控除:申告者本人が勤労学生に該当するときに27万円
- 青色申告特別控除:個人事業主の青色申告者のみ65万円・55万円・10万円を控除
「課税所得」を知ることが大事!

「給与所得控除」や様々な 「所得控除」 を見てきましたがその理由は、
所得税や住民税は年収にかけられるものではなくて、経費や様々な所得控除を引いた残りである「課税所得」と呼ばれるものにかけられるからです。ココがポイントです。「課税所得」は上で見た来たように、個々人の置かれた状況により様々な控除をした後に決まりますので、同じ年収の人でも額はそれぞれ違います。
つまり、「課税所得」は下記のように計算します。
年収 - 給与所得控除 - 社会保険料控除などの所得控除 = 「課税所得」
「課税所得」から納税額を計算しよう!
上記で見てきた「課税所得」(収入からサラリーマンの経費である給与所得控除を引き、所得控除したもの)に、所得ごとに応じた「税率」を掛けて実際の納税額を求めます。
ここでやっと、自分が納めるべき税金の額が分かります。
これは所得金額が多いほど高くなる累進課税です。

実際に計算してみましょう。
例えば、独身の年収500万円のサラリーマンで所得控除は社会保険料控除のみの場合下記の計算になります。
500万円―基礎控除48万円―給与所得控除55万円―社会保険料控除約161万円(概算)=236万円(課税所得)
236万円が課税所得と分かりました。では、上の計算式を当てはめて計算してみましょう!
236万円 × 10% ー 9万7,500 = 37万2,500円 =13万8500
年収500万円の方で上記の条件の場合、所得税は 13万8500 ということになります。
年収ごとのざっくり の課税所得額目安
上のような計算は面倒だなあと言う場合、下記の表は独身サラリーマンで所得控除は基礎控除と社会保険料控除のみの最小で計算した場合の課税所得額一覧です。他の所得控除があれば所得税額は少なくなりますので、最大このくらいというざっくりの目安です。
年収 | 課税所得 (年収―基礎控除ー給与所得控除―社会保険料控除) | 所得税率 | 所得税額目安 |
300万円 | 111 万円 | 5% | 6 万円 |
400万円 | 170 万円 | 5% | 9 万円 |
500万円 | 236 万円 | 10% | 14 万円 |
600万円 | 302 万円 | 10% | 20 万円 |
700万円 | 371 万円 | 20% | 31 万円 |
800万円 | 447 万円 | 20% | 47 万円 |
900万円 | 527 万円 | 20% | 63 万円 |
1,000万円 | 613 万円 | 20% | 80 万円 |
1,500万円 | 1,041 万円 | 33% | 190 万円 |
2,000万円 | 1,469 万円 | 33% | 331 万円 |
5,000万円 | 4,085 万円 | 45% | 1,359 万円 |
年収ごとのざっくりとした「課税所得」と「所得税額」の目安としてご参考いただければと思います。
実際は社会保険料控除以外にも様々な控除がつく方が多いと思いますので、最大値としてご参考ください。
【おまけ】源泉徴収票での「課税所得」の確認の仕方
おさらいとして、源泉徴収票での「課税所得」の確認の仕方をみておきましょう。
「給与所得控除後の金額」-「所得控除の額の合計額」=「課税所得」です。

この「課税所得」に「課税所得額に応じて決定される所得税率」(5%~45%)を掛け、控除額を引きます。それが、実際に納めるべきご自分の所得税額です
なんだかよく分かってきましたね。もう、所得という言葉も怖くないですね!
まとめ【苦手克服!】収入と所得の違いって何?課税所得とは?

いかがでしたでしょうか?
複雑な内容でちょっと頭がつかれましたでしょうか。
極力分かりやすくご説明したつもりですが、普段これらの用語になれておらず、一度で頭に入れるのはちょっと・・と思われた場合は、年末調整や確定申告などの気になる時に覗いて頂ければ幸いです。
知らないと難しそうで変な苦手意識が大きくなってしまいますが、ちょっと足を突っ込んでみると意外にそう難解でもないことがお分かりいただければ嬉しいです。
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税金や社会保険に関しては、刻々と状況や率が変わりますし、自治体により扱いが異なりますので、最新情報は必ずご自身でご確認をお願いします。
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